OMRON Healthcare Manufacturing Viet Nam Co., Ltd.

2025.04.07

オムロン株式会社から分社して設立された、家庭向け・医家向け健康機器およびサービスの開発・販売を手がけるオムロンヘルスケア株式会社。海外生産拠点の一つ、ベトナムBinh Duong省にあるOMRON Healthcare Manufacturing Viet Nam Co., Ltd.を訪ね、労務管理や労働環境整備における、現地従業員との対話のあり方についてお話をうかがった(2024年3月7日インタビュー)。

質の高い対話への取組み

オムロンヘルスケア株式会社では、従業員の声を聴くことを基本姿勢とし、話しやすい雰囲気をつくるための経営層との対話「KURUMAZA」や組織間及びメンバーどうしの対話「TAKIBI」と呼ばれる心理的安全性を重視した対話を大切にしている。OMRON Healthcare Manufacturing Viet Nam社においても、 現地従業員と日本人管理職が、少人数で直接あるいは通訳を介して話す場を設けている。従業員に関心の高い社食の内容を従業員主体で改善したり、賃金についても日頃から率直にやり取りするなど、対等な関係性が自然に醸成されている。

教えるのではなく育てる意識で

人を労働力と見て接すると問題が起きるのは日本でもベトナムでも同じではないか。本社から日本人がやって来ると、知識や経験に加えて、本社から来た権限もあるため、たとえそのような意図はなくても、現地従業員を労働力として扱うことになりかねない。そのようなリスクを踏まえ、一歩下がって、後ろから見守る姿勢で、現地従業員を育てていくことを強く意識していると話された。

多様性を尊重した職場づくり

オムロンヘルスケア株式会社では、職場の多様性を尊重する動きが進んでいる。海外の工場や営業所を経験する人財が増え、多様性があってあたり前という意識の広がりが背景にあるそうだ。OMRON Healthcare Manufacturing Viet Nam社でも、(ベトナムでは珍しいことだが)障がい者を雇用しており、対応の参考にするために、「OMRON京都太陽株式会社(福祉工場)」を、ベトナムの従業員とともに訪れた。このような経験も活かしながら、最終的には、障がいに限らず、人はそれぞれ皆違う存在で、それぞれに向き合い対応する必要があると捉えるようになってほしい。多様性とは当たり前のことで、本来掲げるものではないと結ばれた。

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