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連携を知る

Step 1

なぜパートナーシップが必要なのか

パートナーシップは、関係者が協力することで生み出される相乗効果により、単独では実現できない目的を達成するための協働関係です。現代社会を見渡せば明白に、ひとつの団体やひとつのセクターで解決できない課題は山積しています。そして、パートナーシップは対等です。どちらかが寄りかかるようなものではありません。重要なのは、到達すべき共有ビジョン(shared vision)をもち、それが各協働者のビジョンとも齟齬がなく、相互の実働により、それぞれのビジョンに近づくことです。

NGOと企業のパートナーシップの変遷

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【企業観】

NGOと企業のパートナーシップを考える際、企業観の変遷を見ることで、その関係の変化が明確になります。まず、フォーディズムからつづく伝統的企業観(低コスト・高経済価値・持続的成長)は、ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』に象徴されるように、企業の主な目的は利益を最大化することでした。しかし、同時期に、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』が環境問題に警笛を鳴らし、企業の社会的責任が問われるようになります。これを契機に、企業は社会との関係を重視する社会的企業観が成長します。その流れは更に発展し、経済価値と社会価値を同時に追求しようとする社会経済的企業観へと昇華していきます。

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【攻撃・協働・認証』

近代においてNGOが企業に関わりをもつのは、社会的企業観の芽が出始めた頃で、企業活動が結果として環境を破壊しているなど、企業の利益追求と公益が一致しない部分が表面化したことがNGOを目覚めさせます。

1984年インドのボパール化学工場事故、1989年エクソン・バルディーズ号事件、1995年ロイヤル・ダッチ・シェル:ブレントスパー事件、1997年ナイキの劣悪な労働環境問題が起点となります。これらの問題に対しNGOは、不買運動などを通じて企業を攻撃し、社会的責任を果たすように求めました。

その後、両者の歩み寄りにより、バルディーズ原則(CERES原則)などの行動指針が生み出されます。これが後のCSRレポートの枠組みとして発展していきます。この流れの中で、NGOと企業は次第に、協働へと移行し、その代表例として1990年の環境防衛基金とマクドナルドが手を握って、廃棄物を大きく削減します。日本の例では2002年パナソニックが、グリーンピース社と協働でフロン未使用冷蔵庫の開発をします。こうして緊張感のあるパートナー関係が構築されていきました。

この潮流の到達点が、認証・評価です。企業の活動や製品が、社会的・環境的に適切であることを示すために、フェアトレード認証、森林・木製品認証、漁業資源認証、パーム油認証、大豆認証、ダイヤモンド認証など、数多くの認証制度が確立されました。

かつて企業は、国家からの認証を受け設立し、活動を行っていましたが、今日ではその正当性を市民社会から得ているのです。

パートナーシップの全体像

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NGOも企業も、それぞれが実現したいビジョンを持ち、その達成に向けたミッションを背負って日々の活動をしています。その原動力となるのは、そこにある熱いパッションです。この想いが交わり、双方のビジョンに近づく協働関係が築かれとき、そこには優良なパートナーシップが実現します。単に資金援助をしてほしい、何となく社会貢献をしている風味を得るという取組みでは、均整のとれた美しい関係性は築けません。

双方のビジョンに近づく協働内容であり、そしてそれは互いが持つ資源を活かし、双方の課題を解決できる内容であることが重要です。こうしたグッドパートナーシップが築かれれば、そのパートナーシップによって、双方が共有するビジョンも姿を現すでしょう。

パートナーシップ推進・深化のプロセス

これからパートナーシップを進める団体もすでに取組んでいる団体も、改めてパートナーシップの全体像やプロセスを理解し、推進・深化のポイントを把握しましょう。 『パートナーシップガイド」p.4~7で「自団体を知る」から始まり「連携を深める」に至る、基本的なパートナーシップの進め方を紹介します。

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Shared Vision パートナーのみなさま

私たちは、マルチステイクホルダーによる社会課題の解決を促進し、より良い社会の実現を目指します。 そして、Shared Visionは、活動趣旨に賛同してくださった、市民社会組織(NGO/NPO)・企業・行政・ドナー団体・伴走者をはじめとする 多くのみなさんとのパートナーシップによって成り立っています。

Shared Visionにご関心いただけましたら、ぜひ下記よりお問い合わせください。

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